今日は、セバスチャン・ベッテルが7回目の優勝を達成、一方、マーク・ウェバーはスタートからわずか8周目に大クラッシュという悲喜こもごもの1日だった。
今回のヨーロッパGPは、レッドブルのメンバーの記憶にふたつのイメージを刻み込んだ: セバスチャンの今季2度目の優勝と、ヘイッキ・コヴァライネンのロータスにクラッシュし、空中を舞うウェバーのクルマ。記事の見出しを考える人たちも、今日はさぞかし楽だろう。確かに、レッドブルはアスリートたちに翼を授けている。
しかし、レース終了後にクリスチャン・ホーナーはこのようにコメントしている。「今日、一番重要なのは、マーク・ウェバーが無事だったということだ。すさまじいアクシデントだったが、彼は大丈夫だ」 勝利を祝う気持も、あの心臓が止まる思いに萎えてしまう。空中を飛んだマークのRB6は裏返しに着地し、路面に跳ね返されて再び体勢を立て直してからタイヤバリアへと突っ込んだ。幸い、奇跡的にもウェバーに大怪我はなかった。セバスチャンの一番の戦いの相手はルイス・ハミルトンだった。アロンソがすぐ後ろに続く彼のマクラーレンはスタートでマークのインサイドへと滑り込み、接触しながらセブを外側へと大きく押し出した。セブは逃げ切ったが、マークのクラッシュでセイフティーカーが導入となり、セブのリードは縮まってしまった。しかし、セブは再び表彰台に立てたこと、そして、チームメイトに怪我がなかったことをただ喜んでいる。「力が発揮できると思っていなかったサーキットで、また勝つことができて嬉しい」と、レース終了後の彼は語った。「常に後続車との距離を広げるスピードもあったし、隙間を見つけてクルマをフィニッシュラインまで持ち帰ることができたが、予想していたよりも大変だった。一番重要なのは、大きなクラッシュだったにも関わらずマークが無事だったということ。クルマの安全性の向上と、レースにはまだ多くの危険があるという両方を示す出来事だった。マークが無事で良かった」
クラッシュ前のウェバーのレースも厳しかった。スタートでハミルトンとアロンソに抜かれ、1周目の終わりには9位に転落。ピットストップのタイミングを早めてコバライネンのロータスの後ろでレースに戻ったが、彼は、マークよりも慎重にコーナーを攻めていた。「ヘイッキよりもぼくの方がスピードが出ていた。彼はブレーキングポイントのずっと手前でブレーキを踏んだ — 80メートルぐらい手前だった — その時点ですでに、ぼくはただクルマに乗っているしかなかった」と、マークは言う。「クルマの安全性が高かったことを神に感謝するよ。モンテカルロとバルセロナで優勝したときのシャシーだった。このシャシーでポールポジションも何度も勝ち取っているので、ぼくにとってはとても運が良いシャシーなんだ。今日も怪我からぼくを守ってくれた」
一方、ルイス・ハミルトンはセイフティーカーを追い抜いたとしてドライブスルー・ペナルティーを科せられ、小林は57周のレースの53周目まで待って3位からピットイン。セイフティーカーのルールに違反した9名には5秒間のペナルティが科せられた。今回は、退屈な行進とは程遠いレースだった。
レース後の記者会見を終えたセバスチャンには、さらに嬉しいニュースが待っていた。ワールドカップのドイツ対イングランド戦が気になって仕方ないセブだったが、彼が落胆することはなかった…。
チーフメカニックのケニー・ハンドクラマー(バルセロナでマークと表彰台に上がった人)、おめでとう!今日は彼のキャリア50回目の優勝だった。ご苦労様。今後、もっともっと優勝できますように。
しかし、やはり今日はマーク・ウェバーで最後を締めくくろう。クラッシュについての彼のコメントを聞けば、オージー根性というのが理解してもらえると思う。「驚くほどポジティブな気持のままだ。まだ先は長い」と、彼は言う。「チャンピオンシップはまだ半分残っている。やるしかないさ」
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