2009年度チャンピオンのポール・ボノム、開幕戦を制す
風向きに翻弄された室屋は10位に
「Red Bull AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP(レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ)」の開幕戦の決勝が、3月27日(土)にアブダビ(U.A.E.)で行われ、ディフェンディング・チャンピオンのポール・ボノムが初戦を制しました。室屋義秀は決勝に進出するも、トップ12で敗退し、10位で2ポイントを獲得しました。
40度を超える気温とレース前に突然向きを変えた砂漠の強風により、過去6年の中で最も劇的な展開となった2010年の開幕戦。若手パイロットが台頭する中、優勝したボノム以下、2位ナイジェル・ラム、3位ピーター・ベゼネイと、難しいコンディションでの飛行が得意なベテラン勢が表彰台を占めました。
優勝したボノムは「今日の出来事は非常に興味深い。決勝直前に風の方向が変わった事が勝敗を大きく分けた。また気温も重要な要因だった。今回の様に集中力を保つのが困難な状況の中で、ベテラン勢がポディウムを占めたことは偶然の一致では無いと思う。状況を常に的確に捉え、正しい判断を下す為には、経験が大きくものを言うのであろう」とコメント。コンディションが安定していたトレーニングフライトではむしろ苦戦をしていたラムとベゼネイでしたが、ボノムのコメント通り、高い気温と不安定かつ視界を妨げる砂混じりの風の中でベテラン勢が底力を見せつけました。
アブダビでスムーズなフライング・スタイルを披露した室屋義秀は、予選で8位に入り、ワイルドカードを経ずに決勝へ進出(昨年の第5戦ポルト大会以来2度目)。しかしながら、迎えた決勝ではトップ12のラウンドでゲート3に接触して6秒、ゲート5でのナイフエッジのミスで2秒、合計8秒のペナルティで1分23秒76のタイムとなり、スーパー8への進出はかないませんでした。
レース後「決勝前に風の吹く方向が変わり、ゲート3への接触が予想されたので、十分準備したつもりでしたが、操縦が少し甘くて接触してしまいました。タイム的には速く飛べるようになり良くなって来ているのですが、まだ安定性の面で弱い面があるので、あと1~2戦の間に安定性を手に入れたいと思います。ポテンシャルとしては十分にあるので、次戦のパースに向けて頑張りたいと思います」とコメントしました。
チーム室屋のコーディネーター、Robert Fry(ロバート・フライ)氏も「ペナルティ4秒を含みながらも、トップから7秒遅れのピーターが3位につけていることからも分かるように、決勝戦では堅実なレース運びが非常に重要だ。これを次のパース戦の教訓にしたい。今回、機体に競争力があることが分かったが、ファイナル4に進出するために引き続きアップデートを続けて行きたい」と語っています。
昨年、最終戦までボノムとタイトルを争った2008年シーズンのチャンピオン、ハンネス・アルヒは、26日(金)の予選を、2位と1秒55差の今大会最速タイム1分12秒78でトップ通過。圧倒的な速さを見せつけ、優勝確実と目されていましたが、決勝最初のトップ12のラウンドで、危険な飛行を行ったと判定されて失格となりました。失格に対し、アルヒは「普段通りレースをしたので、スチュアードが何を見て失格と判断したのか全く検討がつかない」とコメントしています。
次戦のレッドブル・エアレースは、4月17(土)、18日(日)にオーストラリアのパースで開催されます。
Red Bull AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP 2010 アブダビ大会 結果
| 順位 | 氏名 | 国籍 | 機体 | 決勝タイム | ポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ポール・ボノム | イギリス | Edge 540 | 01:14.06 | 12 |
| 2 | ナイジェル・ラム | イギリス | MXS-R | 01:14.92 | 10 |
| 3 | ピーター・ベゼネイ | ハンガリー | MXS-R | 01:21.18 (P:+4) |
9 |
| 4 | マイケル・グーリアン | アメリカ | Edge 540 | DNS | 8 |
| 5 | ピート・マクリード | カナダ | Edge 540 | 01:20.40 (P:+6) |
7 |
| 6 | カービー・チャンブリス | アメリカ | Edge 540 | DSQ | 6 |
| 7 | マティアス・ドルダラー | ドイツ | Edge 540 | DSQ | 5 |
| 8 | マット・ホール | オーストラリア | MXS-R | DNS | 4 |
| 9 | ニコラス・イワノフ | フランス | Edge 540 | 01:22.76 (P:+8) |
3 |
| 10 | 室屋義秀 | 日本 | Edge 540 | 01:23.76 (P:+8) |
2 |
| 11 | ハンネス・アルヒ | オーストリア | Edge 540 | DSQ | 1+1 |
| 12 | アレハンドロ・マクレアン | スペイン | MXS-R | DNS | |
| 13 | マーティン・ソンカ | チェコ | Edge 540 | 01:39.78 (P:+20) |
|
| 14 | アジウソン・キンドルマン | ブラジル | MXR-S | 01:56.57 (P:+28) |
|
| 15 | セルゲイ・ラクマニン | ロシア | MXS-R | DSQ |
※DNS=Did Not Start(スタートせず), DSQ=Disqualified(失格), P=ペナルティで加算された秒数
「Red Bull AIR RACE WORLD CHAMPIONSHIP」について
世界トップクラスの飛行技術を持つパイロット達が、技術、体力、精神力全てを駆使して、最高時速 370km、最大重力 12G の中、空気で膨らませた高さ 20m のパイロン(エアゲート)で構成されたスラローム・コースを、決められた順序と飛行方法に沿って次々と通過してタイムを競う、3次元で繰り広げられる激しく過酷なレースです。
2009年、全6戦で行われたレッドブル・エアレースを観戦するため、のべ350万人もの人々がレース会場を訪れ、全世界でのべ2.7億人の人々が、テレビを通じてレースを観戦しました。
レース・カレンダー
| 第1戦 | 3月26日(金) | 27日(土) | アブダビ /UAE |
| 第2戦 | 4月17日(土) | 18日(日) | パース /オーストラリア |
| 第3戦 | 5月8日(土) | 9日(日) | リオ・デ・ジャネイロ /ブラジル |
| 第4戦 | 6月5日(土) | 6日(日) | ウィンザー/カナダ |
| 第5戦 | 6月19日(土) | 20日(日) | ニューヨーク/アメリカ |
| 第6戦 | 8月7日(土) | 8日(日) | ラウジッツ/ドイツ (ユーロ・スピードウェイ) |
| 第7戦 | 8月19日(木) | 20日(金) | ブタペスト/ハンガリー |
| 第8戦 | 9月4日(土) | 5日(日) | リスボン /ポルトガル |
TV放送のご案内
J SPORTS にて、全戦 のハイライト番組そして室屋義秀選手のドキュメンタリー番組を放送。
チャンネル 「J sports ESPN / J sports Plus」では全戦ハイビジョン放送
(ハイビジョン放送は、スカパー!HD、スカパー!e2と一部CATV局にてお楽しみいただけます)
放送スケジュールの詳細は、http://www.jsports.co.jp/をご覧ください。
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