Q. パイロットになろうと思ったきっかけはなんですか?
子供のころによく見ていたガンダムなどのかっこいいヒーローって空を飛ぶじゃないですか。それをかっこいいなあと思って憧れたのがパイロットになろうと思ったきっかけです。
その後、何度か飛行機に乗っていくうちに空を飛ぶことへの憧れはますます増していきましたね。
Q. 夢を実現したわけですが、パイロットになろうという夢をどうやって持ち続けたのですか?
子供のころから憧れていたというのもありますが、だからといって特に環境が整っていたわけではありませんでした。
そんな中、ちょうど大学に入ったときに航空部というグライダークラブがあって、そこで実際に空を飛ぶ、飛行に近いものを体験することができました。パイロットという夢に本格的にのめり込んでいったのはそこからですね。
Q. 大学の航空部(グライダークラブ)でのお話を聞かせてもらえますか?
まず、飛行機に触ったことすらなかったので、航空部を見つけて非常に興奮しましてね。すぐに入部して訓練を開始しました。
ただグライダーっていうのは滑走路にワイヤーを2キロぐらい張って、そのワイヤーが巻き上げられることでグライダーが加速し、飛び立っていくという仕組みなんです。
エンジンが無い分、準備も大変で、なかなか飛べなかったですね。天気が悪かったり、滑走路の状態が悪かったり。飛行機のようにエンジン始動したら飛べるわけではないですからね。
毎日の訓練はそんな形で続いていきましたが、1年間続けて飛行時間は5時間程度でした。
Q. 大学の航空部よりエアロバティックという飛行に転向していった経緯とエアロバティックフライトとはどういうものか教えてもらえますか?
1 年間続けて飛行時間は5時間程度というもどかしい航空部時代に、もっともっと飛びたいという思いはどんどん強くなっていきました。そんな時、アメリカにいけば格安で飛べるという情報を聞き、アメリカに渡ってグライダーではなく飛行機の免許を取る決心をしました。それがエアロバティックに転向するきっかけです。
アメリカのロサンゼルスに渡ったのですが、免許を取りに訪れた空港に有名なエアロバッティックの講師がいました。その人との出会いがエアロバッティクスにのめり込んでいくきっかけとなりました。
普通の人は飛行機はまっすぐ飛ぶもんだと思ってますが、もともと僕はガンダムから入ってますので、飛行機はグルグル飛び回るもんだと思っていました。だからエアロバティックスをやらないといけないとなぜか思ってたというのが私の根本にあると思います。
Q. エアロバティックスというのは何ですか?
競技としては、空中に1km四方の立方体の中で決められた演技を行う、いわゆるフィギュアスケートみたいな感じです。そこで一回転をしたり宙返りをしたりします。宙返りもまんまるじゃないといけなかったり、少しでもズレたら点数が引かれます。技の難易度によって点数が決まってて、それを10点満点で採点する、まさにフィギュアスケートと同じような採点方式なんですよ。
スピードも400km近く出るもんですから、1km四方といっても端から端まで10秒ほどです。
Q. 宙返りの場合、操縦席では簡単なことをやっているのですか?それとももっと高度なことをやっているのですか?
細かく言うと、操縦桿を引くとプロペラが作用するんで機体が震えるんです。これを足で押さえてあげるんです。後ろにあるラダーという機能があるんですけど、それを制御するのが足なんですね。
操縦桿を右左きると機体が傾いて、引っ張ると上がって、押すと下がります。
引っ張ると機体が上に持って行かれるので足を抑えて、それからひっくり返ると舵が逆になるので、逆にきり直して、それで降りてくると加速してくるので少し足を緩めながらもとの高度に戻すということをやっています。
Q. コックピットに入るときの心境はどんなものですか?
コックピットに入るときは準備万全ですので興奮しているわけでもなく、かといって冷めてるわけでもないという状態です。常に中間の状態を保つことが一番大事なので毎回コックピットには完全にニュートラルな状態で入るようにしています。
Q. 機体について特別な思いとかは何かありますか?
機体のメンテナンスはすべて僕も同行してチェックします。あとはきれいに掃除をしてあげたりもします。
そうやって機体をかわいがってあげると、機体の異変のちょっとした合図を機体から感じられるようになります。フィーリングというものでしょうか、自然と感じられるんです。
Q. 最高速度はどのぐらい出るのですか?
最高速度は約400km程です。
Q. 400kmというと動加速度はどのぐらいかかるのですか?
最大で10Gぐらいかかります。F1で約5Gと言われていますからその倍程度です。一般的に4Gぐらいから少し身体が重くなって、腕が上がらなくなると言われてて、5Gから6Gになると脳から血が抜けてきて、それから目の毛細血管から血が抜けてくるんですね。そうすると視野が狭くなってきます。貧血で倒れる時って目の前が真っ暗になって倒れるじゃないですか、そういう状態になります。それで完全に目が見えなくなったらブラックアウトというものになります。
Q. その状態で戦っているのですか?
そうならないように、自分の体を締め上げて血が下がらないように筋肉をロックしてあげるんです。
8Gぐらいまで行くと失神してしまう恐れがあるのですが、そうならないように締め上げてます。
Q. 筋肉をロックすることは簡単にできるのですか?
慣れないとなかなかできないんですけど、練習を積み重ねて行くとできるようになります。わかりやすく言うと硬直するような感じです。踏ん張るような力の入れ具合で腹部からももを中心に力を入れて、Gがかかっている約5秒ぐらいの間、力を入れて頭から血が逃げないようにするんです。
Q. 戦闘機とは異なるのですか?
戦闘機は8Gぐらいで飛んでいると言われているんですが、戦闘機の操縦席にはGスーツと言って、もものあたりに装置がありまして、Gがかかると自動的に装置に空気が入ってももを締め付けるような装備があるんです。それがあるとGがかかっても少し楽なんです。でもエアロバティックスの場合は、スピードを出すために機体を軽量化しているので、そういうシステムを積む余裕はないんです。
それを積むとかなり重くなるので、やっぱり性能重視ということで、足りないものはパイロットがカバーする、ということです。
Q. 墜落するということはないのですか?
基本的にこういう機体は専用機なのでよくできています。例えば失敗してどんな操縦をしているか訳の分からない状態になっても、ある決まった操作をしてあげると最終的には錐揉み回転になって落ち着いてきます。それで落ち着いたら通常の操縦に戻すという感じになります。
to be Continued...










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